2007年9月16日日曜日

イギリスの登下校

イギリスでは安全上の配慮から13歳までの子供たちはいわゆる「鍵っ子」にはできません。
小学校低学年では教室で、高学年になっても学校内で登下校の際は保護者と子供たちが引き会わされます。
中学校に入っていきなり自分たちで登下校できるようになるわけですが、やはり最初の半年くらいは心配な親は校門の少し手前くらいまで見送りに来ます。
子供としては迷惑な話です。
折角一人前になったと思っているのに「いい子にするのよ」とか「愛してるよ」とか、友達が見ているかもしれない所で言われたくありません。
桃太郎君の学校は自宅から8kmくらいあるので路線バスで通っています。
バス停はすぐ目の前、乗り換えなしで学校の門の前に到着します。
学校から通学バス(1学期350ポンド!!)も出ているのですが、集合場所まで歩いて10分くらいかかるので、路線バスのほうが便利です。

私たちも最初の1年は学校までティムちゃんの車で送っていくか、一緒にバスに乗ってのこのこ付いて行きましたが、そのうちバス停までの見送りに変えました。
最近ではおうちのドアでバイバイ。
このバス停に桃太郎君と同じ歳くらいの男の子が、やっぱり母親と一緒にバスを待っています。
週に1-2回顔をあわせていたのですが、さすがイギリス、お互いに干渉はしません。
イギリスの学校は日本と同じように制服がありますから、セオドア君(会話の内容から解ったこの男の子の名前)の学校も一目瞭然。
桃太郎君の学校選びの際、第2候補だったところです。
少し宗教色が強すぎるのと、ランチがベジタリアン、校庭が狭いという3つの点が気に入らなくて今の学校の方を選びました。
始業時にメディテイション(瞑想)の時間が30分もあって将来リーダーシップを取る精神の強さを養うというのがウリです。
桃太郎君の学校と比べると規模は5分の一程度ですから躾も行き届いているようで、登下校の子供たちも他の学校と比べると随分静かです。
我が家も結構カホゴしてますが、このセオドア君のママには負けちゃいます。
バス停でも彼のネクタイを真直ぐにしてみたり、授業中の注意とかさんざん喋り捲っています。
バスに乗り込むときももちろん
「愛してるわよ」
「いい子にするのよ」
「素敵な日になりますように」
普通の子なら「ママ、人前で辞めてよ、恥ずかしい」位は言うと思うのですが、セオドア君は黙って何も言いません。
精神的に強いのか、あきらめ気分で言わないのかは解りませんが、もし瞑想のおかげならすごい効果です。
桃太郎君もあまり口答えばかりする様なら転校させようかしら。
家庭での躾がもちろん基本ですが、学校の影響というのは侮れません。
名門といわれる私立校をパブリックスクールと呼んでいますが、学校の特徴を現している面白いジョークがあります。

部屋に空いている椅子がひとつしかないことに気が付きました。
もしそれがイートン校なら女性にその席を譲ります。
ウインチェスター校なら隣の部屋にもう少し椅子を取りに行きます。
ところがハロー校なら最後の椅子は自分が座ります。
ハロー校はウィンストン・チャーチルの出身校です。

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