2012年1月15日日曜日

針葉樹


JRTGA主催の勉強会でキューガーデンに針葉樹を見に行きました。
そういえば、去年もまだ寒いうちにキューに来たと思います。
お金になる木のはなし
落椿のはなし

針葉樹は英語で「Conifer」といいます。
語源はラテン語で「(花を咲かせる代わりに)Cone(松ぼっくりのようなもの)を持つ木」ということ。
この季節はたくさん木の周りに落ちています。
普通はお花が実になって、その中にタネがあります。
だからタネができるときは,タネの周りにミがあってハダカではありません。
針葉樹のタネはできた時からハダカで、その集合体がConeというわけです。
これはカラマツのコーン。
Coniferは花をつけないので、5月ごろに見ることができる、色のついたコーンの上の部分をカラマツの花という言い方は正しくないそうです。

「Cone」を持つ木といっても例外がいくつかあるそうで、例えばジンの材料、ジュニパーは実をつけます。

キューガーデンの先生によると、針葉樹の種類が約650なのに対して、花をつける木は、なんと30万種、圧倒的に植物の世界では少数派なのです。
Coniferには常緑樹が多いので、冬にキューに来ると、そんな風には見えません。
そして、Conifer は、恐竜が生きていた時代には既に存在していました。
植物の中では最も長生きで、何千年も生きることが出来ます。
この木はセコイアの木。その大きさで有名です。
セコイアもConiferです。

日本語の、松とか杉なんかもConifer。
英語で植物のことを調べる時にネックになるのが名前。
例えばCedar を翻訳すると「杉」
日本杉の英語の一般名は「Japanese cedar」
ところが正式な名前は「Cryptomeria japonica」
そして系列(科)は「Taxodiaceae」

キューガーデンのウェブで調べると、正式な「Cedar」は4種類だけ。
Deodar cedar ヒマラヤスギ
Atlas cedar アトラス(北アフリカ)シーダー
Cedar of Lebanon レバノン杉、アトラスの親戚
Cyprus cedar キプロス杉
そしてこれらCedarの系列(科)は「Pinaceae(松科)」なので、日本の杉とはちょっと違う種類になります。

ところでこの4種類の名前を先生から聞いたとき、私は最後のキプロス杉のことを誤解していました。
英語の発音では「サイプレス・シーダー」になるので、てっきり「Cypress Cedar」と言ったと思っていたのです。
サイプレスの綴りが違うのがわかりますか?
「Cyprus」というのは地中海に浮かぶ島の名前キプロス、「Cyprus cedar」はその島に特産のCedarの名前です。「Cypress」は全く違う木の名前で、ゴッホの絵によく出てくる糸杉です。
おうちに帰って調べてみると、全く違うものでした。
外での実地学習は、講義室でノートをとるわけではないので、耳だけに頼るととんでもない勘違いが生まれます。
勉強会の様子。

因みに糸杉「Cypress」ですが、死者を悼むといった意味があります。
だから、木のイメージでは「悲しみ」を連想する人も多いようです。
ギリシア神話では、アポロンの愛した美少年のひとりキュパリッソス(Kyparissos、後にラテン語でCypress」が、かわいがっていた鹿の死を悲しんで、糸杉になったという話があります。
実際には糸杉は成長も早く、堅い材質、香りもいいことから建築に向いています。
ローマのサンピエトロのドアはこの木で造られたとキューガーデンの案内には書いてありました。

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