2014年1月18日土曜日

オクスフォードの図書館

 オクスフォードには、一般に公開されている施設がたくさんあります。

今日紹介するのはそんな場所のひとつ。



昔、印刷が始まる前、本は手書きでした。

だからとっても高価だったわけ。

それが印刷が始まって、少し手に入りやすくなります。
それでも庶民には手の届かないお値段。

ですから蔵書というのはとても限られた層だけの特権だったわけ。
オクスフォードに学生が集まってきたのは勉強のため。
なので、たくさんの本が必要です。
ウスター司教が出資して、大学教会の中に蔵書のための部屋が設けられました。
14世紀のお話。

それが現在のセントメアリー教会の建っている場所です。
左がセントメアリー教会、塔に上がることもできます。

15世紀には、ヘンリー5世の弟ハンフリー公が300冊近い蔵書を大学に寄付したために、その図書室は手狭になってしまいます。そこですぐ脇に新しい図書館を建てることになったわけ。

それがボドリアン図書館の始まりです。
ただ、ハンフリー公の残した蔵書は16世紀の宗教のごたごたの中、売られたり焼かれたりしてその大半を失ってしまいます。
図書館自体も大学の他の目的のために使われるようになりました。
16世紀後半にその救済に乗り出したのがボドリー卿。
現在の名前、ボドリアンというのはボドリー卿のことです。

図書館の入り口は中庭に面していて、その写真が一番上。
じゃあ入り口前の銅像は、ボドリー卿かな?と思うでしょう。
違います。
じゃあ、ハンフリー公かな?
それも違います。
じゃあ一体誰?
答えは17世紀にオクスフォード大学総長だった人ですって。




それよりも、中庭の反対側を見てください。
立派な塔でしょう?
この塔にはたくさんの柱がくっついています。
建築には古典5様式というスタイルがあります。
それぞれ5種類の特徴を持ったスタイル。
この塔で、その全ての種類を見ることができるのです。

この中庭で地面に這いつくばってこちら側の写真を撮っている人がいたら、それは5種類全部の柱を撮ろうとしている人。
私が撮ったこの左の写真では、4種類しか入っていません。

1番目と2番目の窓の間にはエリザベス1世の後にこの国を継いだジェームス1世の坐像があります。
学問のパトロンといった風情。

ぐるっと中庭を見回すと、窓が大きくてたくさんあるでしょう?
電灯ができるまで、明かりは太陽か火しかなかったわけです。
燃えやすいものの宝庫である図書館に炎はご法度。
そこで大きな窓がたくさん作られたわけです。

ガラスが大変に高価だった時代です。
だから、蔵書だけではなく、その建物もずいぶんお金がかかったのです。
中庭の各入り口にはそれぞれの科目がラテン語で書かれています。
歴史とか音楽、哲学といった風。

でも本当にここは中まで見学してください。
ハリーポッターの映画で保健室として使われた場所なんかも案内してくれます。

 当日参加できるツアーがあって、中世の図書館を観ることができます。


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