2017年11月7日火曜日

危ないから近寄らない方がいいと思っていたブリクストンってどんなところ?

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日本からのお客様は「外国は怖いところ」と思っている人が多いです。

実際日本よりも危険な国の方が多いです。
でも、イギリスはそんなに怖い国ではありません。

普通に人が住んで、お買い物したり、ご飯食べたり、学校やお仕事に行ったりしています。

私はどちらかといえば怖がりな方で、ロンドンの中でも一人では決して近寄らない場所というのがあります。
根拠があるわけではないけれど、よくニュースで名前が出てくるとか、イメージが悪いとか、そんな感じかな。

さて、そんな街の一つがブリクストン。

JRTGA(英国公認日本語観光ガイド協会)の勉強会で、ブリクストンの町をロンドンに住む黒人の歴史をテーマに歩いてみるという企画があったので参加してきました。

正直なところ、ブリクストンにお客さまを連れて行く機会は多分ないと思います。
でも、ガトウィック空港やクロイドンから、中心地に向かう時に通るかもしれないので、そんな時に役に立つかもって思ったんです。

今までは、車で通るときに、暴動がおこったり、発砲事件なんかもあるから近づかない方がいいですよって案内していました。

でも、もちろんブリクストンにもたくさんの人が住んでいるわけで、色々な歴史や文化があるわけです。

地下鉄のプラットフォームに降り立った時から、もうドキドキ。

この人が今日の講師、アンジェラさん。
黒人で初めてブルーバッジの資格を取った人。
彼女の案内で、いろんな歴史を学びました。

青空のブリクストン。
全然怖くないでしょ?
でも救急車とかパトカーの音が、中心地やリッチモンドと比較にならないくらい多く響いていました。
ハイストリートにいた20分で6回数えました!
リッチモンドだったら、日によるけど、丸一日でも見かけない!
やっぱり危ないのかなぁ?

これは図書館。
胸像はお砂糖で大もうけしたテイトさん。
慈善家として、そしてテイト美術館の創設者として知られています。

ロンドンにカリブ海から黒人がやって来たのは第2次世界大戦の前後くらい。
2度の世界大戦でも、たくさんの黒人がイギリスのために亡くなりました。
労働力として募られてきたのです。

それなのに、迎えたイギリス側の態度はずいぶん冷たいものだったそうです。
そこでいろいろな摩擦が起こるようになりました。

ノッティンヒルやブリクストンに黒人が集まるようになったのは、大きなおうちが多かったからです。
そういったおうちを維持していくのは大変。
住み込みの召使いがたくさん辞めてしまった第1次世界大戦の後、また経済的な余裕がなくなった第2次世界大戦時に、空き家が増えた大家さんが、お金をかけてメンテナンスをせずに貸せる住宅ということで、移民の受け入れ先になったそうです。
もちろん大きなおうちのままではなく、中を小さく割ったもの。

一旦コミュニティーが出来上がると、そこを目指して新しい移民も集まってくるようになります。
日本人のコミュニティーだって、ロンドンで固まってます。
アクトンとか、フィンチュリーとかが有名。
日本語の通じるお店やレストラン、不動産屋とか、学校なんかがあって生活に便利。
移民って、どこから来てもそんなもの。


ただ日本人と違って、黒人はいろんな差別に遭いました。
住宅手当が受けられなかったり、住宅ローンが組めなかったりで、悪質な家主の元を出られないケースなんかも多かったそうです。

そこで相互扶助の精神もスタートしました。
パードナーというシステムがあったそうです。
それは、少しずつお金を出し合って、集まったお金を順番に受け取るというもの。
それで住宅を買ったりした人たちもいたそうです。
それでも仕事がなくて、犯罪に手を染めたりする人がいたので、黒人イコール悪人といったイメージができたそうです。

外国から、この国の労働力ということで助けに来たのに、ロクな扱いをしてもらえないという不満がどんどんと積もっていったのは想像に難くありません。
黒人だというだけで、職務質問を受けたりするのも逆効果でした。

このモニュメントは2回の大戦中に亡くなったカリブ海からの黒人の記念に建てられました。
すぐその脇には黒人文化のアーカイブセンターがあって、興味深い展示がされています。

さて、この脇の通りを曲がってサルターンロードを突当りまで進むと、アトランティックロードに入ります。
このエリアは1981年の4月に大きな暴動がおこった場所として知られています。
ガイドのお友達が近くに住んでいたそうだけど、普段から発砲事件なども多かった地域だそうです。
でも今はそういったこともなく、行きかう人も特に警戒しているようではありませんでした。
散髪屋さんがいっぱい。
それも黒人文化の一つらしいです。
男の人たちが散髪屋さんで政治談議を楽しむそうです。
そういえば、エディーマーフィーのコメディーでそんなシーンを見た気がします。

この通りを北に向かうとブリクストンマーケット。
この中には多国籍なレストランも入っていて、お好み焼き屋さんまでありました!

雑貨屋さん、お肉屋さん、お魚屋さん、市場って感じのところで歩いていて目移りします。

ひとりでは絶対に来れないと思っていた場所だけど、実際に来てみると自分の視野の狭さや偏見に恥ずかしくなりました。
この脇にはレクリエーションセンターがあって1996年にネルソンマンデラさんが歩いた階段がまだ残っています。


ブリクストンは庶民的でいい街。
また足を運んでみようかなって思っています。

ここには書ききれないので、何回かに分けてブリクストンの町を紹介しますね!



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